NISAとは
NISA(Nippon Individual Saving Account)とは、2014年から開始された、少額の投資による資産形成を支援する制度です。NISA口座を開設して、NISA対象商品に投資することで、投資で得た利益にかかる所得税・住民税が非課税となります。
現在購入した株式や投資信託などで得た利益に対して復興特別所得税を含めると20.315%の税金がかかりますが、NISAを利用して利益を得た場合は非課税となり税金が発生しません。
2014年から開始されたNISAですが、2024年より制度が変わり新NISAとして新たにスタートします。現行にNISAと新NISAについてまとめてみましょう。
投資する人が増えれば株価が高くなり、経済全般に良い影響が現れてくるだろうという思いと、今のままだと年金だけでは将来不安だから、自分たちで投資して資金を増やしてねという政府の意向からNISAがスタートしたので、ぜひ皆さんも上手に投資運用して資産を増やしていきたいところだね。
現行NISA
現行のNISAは2014年よりスタートし、2023年末で終了します。
また、「一般NISA」と「つみたてNISA」のどちらかしか選べず、「一般NISA」の最大保有期間は5年間。「つみたてNISA」の最大保有期間は20年間とそれぞれNISAが有効な保有期間を超過して保有し続けると、売却時に得た利益が課税されるというものでした。
購入を行うことができるのは2023年までで、2023年中に購入した分については「一般NISA」が2027年(5年間)まで非課税、「つみたてNISA」は2042年(20年間)まで非課税となります。
新NISA
新NISAは、2024年1月から始まる、少額投資非課税制度の新しい制度です。旧NISA(一般NISAとつみたてNISA)を統合し、制度を拡充・恒久化したものとなります。
項目 | 現行NISA つみたてNISA | 現行NISA 一般NISA | 新NISA つみたて投資枠 | 新NISA 成長投資枠 |
---|---|---|---|---|
最大利用可能額 | 800万円 | 600万円 | 1,800万円※1 | 1,200万円※1 |
年間投資上限額 | 40万円 | 120万円 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有期間 | 最大20年 | 最大5年 | 無有制限 | 無制限 |
制度選択 | 併用不可 | 併用不可 | 併用可 | 併用可 |
制度実施期間 | 〜2023年末 | 〜2023年末 | 2024年1月〜 | 2024年1月〜 |
2024年から大分方針が変わりましたね。
今回の新しいNISAを長期的に分散しながら利用すれば、かなり資産が増える可能性が高くなりそうです。一緒に勉強しながら学んでいきましょう!
年間投資上限額の引き上げ
年間の非課税投資枠は、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円となり、合計360万円となります。これは、旧NISA(一般NISA)の年間120万円、つみたてNISAの年間40万円を大幅に上回る規模となります。
生涯非課税投資枠の大幅拡大
非課税投資枠は生涯で1,800万円と上限が設定されています。このうち、成長投資枠の最大利用額は1,200万円となります。ただし、売却した商品の取得価額は、翌年以降に再利用できる仕組みとなっているため、実質的な上限は1,800万円を超えることができます。
例えば、新NISAの口座を開設して、1年間でつみたて投資枠の120万円を全額投資し、翌年に成長投資枠の240万円を全額投資した場合、合計360万円の非課税投資を行うことができます。その後、360万円分の投資商品を売却した場合、翌年以降は、つみたて投資枠と成長投資枠の合計360万円の非課税投資枠を再び利用することができます。
なお、売却した商品の取得価額は、売却した年の翌年の1月1日時点での評価額となります。
非課税保有期間の無期限化
NISAで投資した資産を売却するまで、運用益に課税されない期間を無期限になりました。
現行のNISAでは、つみたてNISAの非課税保有期間は20年間、一般NISAの非課税保有期間は5年間と定められています。そのため、非課税保有期間を過ぎた後、運用益に課税されることになります。
しかし、新NISAでは、つみたてNISAと一般NISAの非課税保有期間がいずれも無期限となりました。そのため、NISAで投資した資産は、売却するまで運用益に課税されません。
つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能
新NISAでは、年間の非課税投資枠は、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円となり、合計360万円となります。そのため、つみたて投資枠と成長投資枠を併用することで、年間360万円の非課税投資枠を活用することができます。
ただし、つみたて投資枠と成長投資枠は、それぞれ投資対象商品の制限があります。つみたて投資枠は、投資信託やETF(上場投資信託)などの特定口座で取り扱われている一定の銘柄にしか投資できません。一方、成長投資枠は、上場株式やREIT(不動産投資信託)など、つみたて投資枠よりも幅広い投資対象商品に投資することができます。
新NISAで買える商品
つみたて投資枠
- 長期の積立・分散投資に適した一定の条件を満たした投資信託
- 金融庁に届出された、以下の条件を満たす投資信託
・信託期間が20年以上あること
・毎月一定額の投資ができること
・保有期間が3年以上あること
・信託報酬が0.5%以下であること
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
インデックスファンド:
日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動するように運用する投資信託
アクティブファンド:
ファンドマネージャーが市場や個別銘柄の分析に基づいて運用する投資信託
成長投資枠
- 上場株式、投資信託、ETF(上場投資信託)など
- ただし、以下の商品は対象外
・整理・監理銘柄
・信託期間が5年以下のもの
・毎月分配型のもの
・デリバティブ取引を用いたもの
成長投資枠では、上場株式や投資信託、ETFなど、幅広い投資対象商品が対象となります。そのため、短期的な利益を狙った投資や、成長性の高い商品への投資が可能となります。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
上場株式:
日本株や外国株など
投資信託:
インデックスファンドやアクティブファンドなど
ETF:
上場株式や投資信託の指数に連動するように運用する商品
NISAおすすめの商品
つみたて投資枠
つみたて投資枠は、長期的な資産形成に適した制度です。国内株式インデックスファンドや外国株式インデックスファンドに投資することで、安定的な運用を目指すことができます。
詳しくはまた別の記事でご紹介する予定ですがおすすめする代表的な商品は以下の通りです。
オールカントリー
- 世界経済の成長に幅広く投資したい
- リスクを抑えながら長期的な資産形成を目指したい
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(三菱UFJ国際投信)
信託報酬0.05775%
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・オールカントリー)(SBIインベストメント)
信託報酬0.1338%
これらのファンドは、いずれも世界50カ国以上の株式に投資するインデックスファンドです。信託報酬が低く、コストを抑えやすいという特徴があります。また、世界経済の成長に幅広く投資することができるというメリットがあります。
SP500
- 米国経済の成長に投資したい
- 米国の成長企業に投資したい
- リスクをある程度許容して、より高いリターンを目指したい
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(三菱UFJ国際投信)
信託報酬0.09372%
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500)(SBIインベストメント)
信託報酬0.0938%
これらのファンドは、いずれも米国の代表的な500銘柄に投資するインデックスファンドです。信託報酬が低く、コストを抑えやすいという特徴があります。また、米国経済の成長に投資することができるというメリットがあります。
オルカンとSP500は今回のつみたて投資枠でもかなり人気になりそうです。
私の周りでもその二つが圧倒的人気だね。
成長投資枠
成長投資枠は、短期的な利益や成長性の高い商品への投資を検討している人に適した制度です。ただし、リスクが高いため、投資対象商品の特徴やリスクを十分に理解した上で、慎重に投資を行うようにしましょう。
高配当株
・高配当銘柄
・連続増配
2014 JT
予想配当利回り 5.93%(2023年11月21日時点)
JTはたばこ事業を中核とし、食品や医薬品などにも事業を展開する企業。海外売上が7割を超えており、世界のたばこ消費を背景に売上を伸ばす。業績は安定的に推移。1994年の上場以来、減配したのは2021年12月期の1回のみ。配当性向は73%とやや高めだが、今後も安定した業績が見込まれる。
8593 三菱HCキャピタル
予想配当利回り 3.99%(2023年11月21日時点)
菱HCキャピタルは、情報関連機器や産業機械に強みを持つ大手総合リース企業。2021年4月に三菱UFJリースと日立キャピタルが経営統合し、経営基盤や顧客基盤が強化された。不動産、環境エネルギー、自動車、海外など事業領域は広く、リスク分散が効いている。2021年に買収した米国の海上コンテナリース企業も利益に貢献。PBR1倍割れは割安だ。
ベライゾンコミュニケーションズ(VZ)
予想配当利回り 7.41%(2023年11月21日時点)
ベライゾンコミュニケーションズ(VZ)は、アメリカ最大級の通信事業会社です。
分かりやすく例えるなら「アメリカ版NTT」と、言えます。
事業は、ワイヤレスネットワークブランドの「Verizon」、光ファイバーネットワークの「Fios」などの通信サービスをメインに展開中です。
ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)
予想配当利回り 8.92%(2023年11月21日時点)
ブリティッシュアメリカンタバコはインペリアルタバコ、フィリップモリスに次いで世界3位のタバコ企業になります。
米国株をNISAで購入した場合、10%の現地税が発生します。しかしBTIはADR銘柄という米国市場で売買されている米国以外の国の代替証券のことのため現地税がかかりません。NISAで購入した場合日本株同様無課税で配当を受け取ることができます。
アクティブファンド
ひふみプラス(レオス・キャピタルワークス)
信託報酬1.078%
国内外の上場株式を主要な投資対象とし、市場価値が割安と考えられる銘柄を選別して長期的に投資します。
過去の実績で高いリターンを記録している
米国成長株式ファンド(三井住友トラスト・アセットマネジメント)
信託報酬1.87%
主要投資対象ファンドにおける株式の銘柄選択にあたっては、将来の成長余地やその持続期間について、市場で過小評価されている優れた企業で、株価上昇が期待できる銘柄を選別します。
米国の成長企業に投資したい
なお、成長投資枠は、2024年1月から始まる制度です。2023年12月31日までにNISA口座を開設している人は、旧NISAの非課税投資枠を使い切るまでは、旧NISAのルールが適用されます。
成長投資枠はたくさんの株式から自分の好きな銘柄を購入したいので、私は日米の高配当株をメインに使っていく予定だよ。