<基本で重要> DOEってなに?

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配当アイランドは、高配当銘柄への投資を重視するスタイルで、かつ投資をより安定的に楽しむことを目指して日々情報を発信しております。

その為、投資する場合は積極的に株主還元する企業を中心に考えております。

本記事では、「積極的に株主還元する企業」を測る指標として代表的な[DOE]についてまとめておりますので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

DOEとは

DOEとは「Dividend on equity ratio」の略で、和訳は「株主資本配当率」です。
その名の通り、企業が株主資本に対してどの程度配当を払うかを示す財務指標です。
株主還元姿勢を強く示す指標として、DOEを利益還元目標として掲げる企業が増えており、株主から注目されている指標です。

DOEでわかること

  • 配当性向の場合は“利益”に連動、DOEの場合は“株主資本”に連動する
  • “株主資本”に連動する為、業績に左右されにくく、安定した配当が期待できる
  • 安定している株主資本だからこそ、配当金が大幅に増えることは少ないとも言い換えられる

DOEを目標に掲げている企業は、「株主に安定した配当金を支払います」というメッセージですので、DOEを見ればどれだけ株主還元に重きを置いているかが窺えます。

DOEをもっと詳しく

DOEと配当性向の違いは?

配当性向もDOE同様、配当性向が高ければ高いほど、企業は株主に利益を還元することに重きを置いていると考えられます。
主な違いとしては前述の通り、「配当性向の場合は“利益”に連動、DOEの場合は“株主資本”に連動」します。
簡単な表を使って、違いを見てみましょう。

※こちらは参考であり、単純な計算例です。株主へ配当金を支払った場合、本来は株主資本から配当金の支払額を減算しますが、単純化して理解しやすくする為、上記では考慮しておりません

例えば上記[表1]のような純利益・株主資本推移の場合、[表1 > 4年目の純利益]が赤字の時でも、[表3 > 4年目の配当金]は33.3と安定しております。また、配当金合計は[表2(配当性向30%)]より[表3(DOE3%)]の方が大きい、といった異なる結果が出ます。

どこを見ればDOEがわかる?

DOEは決算短信に掲載されております。
実際に決算短信で見てみましょう。

株式会社ZOZOの2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)の場合、[純資産配当率(連結)]がDOEに該当します。

情報通記者ペン
情報通記者ペン

株式会社ZOZOのDOEは安定して20%以上の高水準となっており、日本企業の中でも群を抜いてDOE1位を維持しています

KDDI株式会社の2024年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)の場合、[親会社所有者帰属持分配当率(連結)]がDOEに該当します。

DOEの基準てどれくらい?

下記は日本のTOPIX構成企業と米国のS&P 500構成企業を中心としたDOEの統計データです。

この通り、日本企業のDOEは米国と比べて低い水準となっており、日本の主要企業のDOE平均値・中央値はいずれも3%前後で、近年は横ばいの状態です。

[フィデリティ投信]より引用(https://www.fidelity.co.jp/page/strategist/vol161-review-on-financials-for-the-japanese-and-us-companies
[日本経済新聞の電子版]より引用(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOTG24BPP0U4A520C2000000/

上記参考文献のその他データによると、日米の配当性向は30%と同水準であることがわかります。

[フィデリティ投信]より引用(https://www.fidelity.co.jp/page/strategist/vol161-review-on-financials-for-the-japanese-and-us-companies

それにも関わらず、日本のDOEは米国の半分程度ということから、下記の示唆が得られます。

  • 日本は米国に比べて、内部留保が多い
  • 日本は米国に比べて、自社株買い等を通じた株主還元が少ない

DOEの注意点

DOEは成長性よりも安定性を重視していることが窺える為、長期的なトレンドで見れば有効性が高いですが、短期的な利益を期待する投資には向かないかもしれません。

また、DOEを採用しているからといって「必ず減配しない」「必ず優良銘柄」というわけではないので、財務指標を様々な視点から総合的に判断することが必要です。

まとめ

各個人の投資スタイルによって重視する指標は異なるかと思いますが、様々な基本指標の理解を深めることで投資戦略もより深みが増すことを、筆者は常々実感しております。

冒頭で述べた通り、配当キングでは「安定」を重視していますが、そんな投資スタイルに共感いただける方もそうでない方も、本記事をきっかけにDOEを参考指標の1つとして投資に活用していただけたら幸いです。

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