<基本で重要> PBRとPBSってなに?

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投資に関する基本指標の解説記事です!
今回は[PBR]と[PBS]についてまとめております。

PBRもBPSも、株が割安か割高かの判断基準になる代表的な指標で、企業の実力に対して、株がどのくらい評価されているのかが分かります。

言わずもがなですが、PBR・BPSだけを見れば投資に成功するというわけではありません。
あくまで、投資のリスクを下げる為に欠かせない1つの指標と考えていただければよいでしょう。

また、似た指標としてPER・EPSもありますが、こちらの記事でまとめておりますので、ぜひ併せてご参照ください。

BPSとは

BPSは後述するPBRの計算にも必要な為、先にBPSを説明いたします。

BPSとは「Book value Per Share」の略で、和訳は「1株当たり純資産」です。
その名の通り、企業の純資産が1株当たりいくらなのかという財務指標です。

BPSでわかること

似た指標として[EPS]がありますが、EPSは収益面から、BPSは財務面から株価の割安・割高を判断する材料となります。BPSが高いほど純資産が多く、仮に企業が解散・清算した場合に株主に残る価値が高いとみなされます。

最新のBPSのみならず、過去の推移も見ることで、その企業の安定性・成長性を推し量ることができるでしょう。

情報通記者ペン
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BPSに限ったことではないですが、指標が大きく増減しているタイミング・その理由を追求していくことは、投資判断のみならず、企業や経済への理解も深まるので、企業分析は一石三鳥といっても過言ではありません。

BPSをもっと詳しく

純資産と発行済株式総数は、決算短信に掲載されております。(各種株式情報サイトにBPS(「1株当たり純資産」)は記載されてますが、決算短信上にBPSは記載されておりません)

実際に決算短信で見てみましょう。
「KDDI株式会社」の2025年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)を参考にして説明させていただきます。

純資産

IFRS(国際会計基準)による決算短信の場合、[親会社の所有者に帰属する持分]を、日本基準の[純資産]として計算に使用することが一般的です。

発行済株式総数

発行済株式総数は、[期中平均株式数]を計算に使用することが一般的です。

この決算短信のBPSは、5,272,269,000,000(純資産) ÷ 2,082,298,114(発行済株式総数)=2,531.9円(1株当たり純資産)となります。

BPSの注意点

一般的に、BPSは高いほど安定しているとされていますが、他の企業や業種と比べて高ければ良いと一概にはいえません。また、企業の資産に変化がないとしても、株式分割や自社株買いによって発行済株式数が変化し、自ずとBPSも変化する為、単体指標のみでの投資判断は不十分です。

企業の純資産と株価の関係を示すPBR(株価純資産倍率)の方が、投資判断材料としての重要度が高いです。

情報通記者ペン
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BPSは決算時点で報告された純資産額を基準とする為、リアルタイムの純資産額ではないということも、細かい注意点の1つです。

PBRとは

PBRとは「Price Book-value Ratio」の略で、和訳は「株価純資産倍率」です。
企業が資金をいかに有効活用して事業を成長させているか、それが投資家からどう評価されているかを測る1つの指標です。

PBRでわかること

収益から見て株価の割安・割高を判断する[PER]、資産から見て株価の割安・割高を判断する[PBR]という位置づけです。PBRが低いほど株価が割安・高いほど株価が割高であると判断できます。

一般的なPBRの目安は1倍で、1倍以上なら割高・1倍以下なら割安とされています。
ただ、PBRが高い銘柄は人気が高い銘柄とも言い換えられる為、PBR1倍以上の銘柄に投資するという選択肢も考えられます。

PBRをもっと詳しく

下記の通り、日本企業のPBRは世界と比べて低い水準です。
この数値だけを比較すると、各国よりも[資本コストや株価を意識した経営]の意識が低いのではないか、と疑念を抱いてしまいます。

  • 日本の東証プライム上場企業にて、PBR1倍割れが43%
  • 米国のS&P500企業にて、PBR1倍割れが4%
  • 欧州のSTOXX600企業にて、PBR1倍割れが20%
[日本経済新聞の電子版]より(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC154UC0V10C24A1000000/


2023年3月末、そんな状況に危機感を抱いた東京証券取引所が、「株主から預かった資金を効率的に活用して、成長事業が拡大することを意識してほしい」というメッセージを発信しました。

このことから、自己資本比率が高くPBRが低い企業は、持続的な成長や企業価値向上を果たすことはもちろん、自社株買いや増配といった株主還元対策が求められる、ということが日本市場のトレンドです。

もちろん様々な事情からPBRが目標に到達していない企業もあると思いますが、あらゆる材料を加味せず、シンプルに高自己資本比率かつ低PBRを並べて投資判断するというのも、日本市場のトレンドに沿った有効な投資手段の1つと考えます。

情報通記者ペン
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キレイゴトだけど、企業は得た利益から投資や企業努力をして、業績をさらに伸ばして株価を上昇させていくことが基本的なあるべき姿なので、自己資本比率が上昇しているのにPBRが低いことはトレンドに反しているといった考え方で、下記スクリーニング(銘柄検索)しております

スクリーニング結果。条件[時価総額:1,000億円~][PBR:0.10倍~1.00倍][自己資本比率:50.0%~100.0%]

PBRの注意点

一般的にはPBRが1倍以下なら割安とお伝えしましたが、赤字続きで株価が下がってPBR1倍未満というケースもございます。他にも、創業期であるが故に純資産が少なくPBRが高い・短期的な変動には対応していないといったPBRの性質もございます。

その為、PBRだけを見て判断するのではなく、なぜPBRが低いのか、も併せて調査しましょう。

まとめ

重複しますが、1つの指標を見ただけで投資判断することは推奨しません。
他の経営指標と組み合わせ、その企業の業績や価値、株式市場からの評価なども俯瞰した上で、投資判断を行いましょう。

本記事がきっかけとなり、ROEやROAなどの他経営指標や経営状況の分析に少しでも関心を抱いていただけたら幸いです。

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