高配当株は株価が上がるキャピタルゲイン以外に安定して配当金を手に入れることができるので昨今では投資家から好まれる傾向にあります。
仮に1,000万円の株で5%の高配当の場合1年間に50万円配当金がもらえ、その配当金をまた投資に回せば1050万円の5%の配当金がもらえると繰り返していけば雪だるま式に資産は増えていきます。
もちろん上記は株価の上下や配当利回りの変更が無い想定なので参考にはならないと思いますが笑
前の記事にも書いたリスクや企業が無理して高配当を維持することで経営の圧迫、たまたま調子が良い時に一時的に配当を上げただけかもしれません。そんな企業は減配のリスクも出てくることでしょう。
そのような企業も沢山あるので、しっかり株価の安定性・成長性・配当の持続性を見極める必要があります。
そこで大事なのが「ファンダメンタルズ分析」になります。
ファンダメンタルズ分析
売上高や利益といった業績や資産、負債などの財務状況をもとに株価や為替の値動きを予測すること
「ファンダメンタルズ分析」とは別に「テクニカル分析」というのも存在します。
基本的にはファンダメンタルズ分析は長期的な投資、テクニカル分析は短期的な投資に有効だと言われていますが、両方を知っておくことでより精度の高い分析ができることは間違いありません。
今回は高配当銘柄の分析に欠かせないファンダメンタルズ分析を中心にお話をしたいと思います。
高配当株におけるファンダメンタルズ分析
高配当株を選ぶ基準も沢山あるのですが今回は以下の5点に絞ります。
・配当利回り
・非減配年数
・配当性向
・PER(一株あたりの純利益率)
・PBR(株価純資産倍率)
ここからはファンダメンタルズ分析に詳しい情報通記者ペンさんも交えて説明してもらいましょう。
配当利回り
前回の記事でも説明しましたが、投資した金額に対してどのくらい配当金をもらえるかが配当利回りになります。
配当金が高ければ高いほど沢山お金がもらえるから、高い方が良いに決まってるでしょ?
企業ももっと配当利回り上げればいいんじゃないの。
過度に高い利回りには注意!
配当金は企業の利益の一部を株主に還元されるものなので、そもそも儲かってない企業なら無理して配当金を出していることになるんだよ。無理したら経営も傾くし設備投資やより成長するためにも分配しすぎると企業としてもやりたいことができなくなってしまうんだよ。
確かに儲かったお金を全部分配してたら成長できないね。
配当金も欲しいけど、企業にももっと成長してもらいたいもんね!
非減配年数
企業が配当を減らしたことのない年数のことを指します。
非減配年数は、企業の財務状況や経営基盤の安定性を示す指標として用いられます。
非減配年数が長い企業は、安定した業績を上げており、財務状況や経営基盤が健全であると判断することができます。そのため、投資家からの信頼も厚く、株価も比較的安定している傾向があります。
非減配年数が長ければ長いほど安定しているし、そういう企業を選べば間違い無いじゃん!
確かに非減配年数が長い企業は比較的安心できるし、実績があれば信用もできるね。
だけど今後も減配や配当廃止がなくなる保証はないから過去の業績に基づく指標だということは忘れないで!
それに非減配でかつ高配当の銘柄は人気もあるので株価も高くなる傾向があるのでそこも気をつけないとね。
配当性向
配当性向とは、企業が当期純利益の中から配当として株主に還元する割合をパーセンテージで表したものです。計算式は、以下のとおりです。
配当性向 = 配当金 ÷ 当期純利益 × 100%
例えば、配当金の総額が100億円で、当期純利益が500億円の場合、配当性向は20%になります。
配当性向は、企業の株主還元を測る目安となる指標です。配当性向が高い企業は、株主に利益を還元することに重きを置いていると考えられます。
配当性向が高ければ高いほど株主を大事にしているということなのかな?
配当性向が高いということは確かに財務状況や経営基盤が安定しいると考えられており、投資家からの信頼も厚い。
しかし、配当性向が高い企業は成長性よりも安定性を重視している傾向があるから、短期的な利益を期待する投資には向かないかもしれないね!
配当性向が何%くらいだといいんだろう。
目安として見て欲しいんだけど
10%以下
配当に充てられてる利益の割合が小さく、株主への還元が不十分であると判断できるかもしれないね。
20〜50%
一般的に適正水準とされているね。企業の安定性と配当収入を期待する投資家のニーズを両立できると考えられいるよ。
50%以上
この水準を超えると配当に充てられてる利益の割合が大きくなるため成長や設備投資の余裕がなくなる可能性が出てくるね。少し注意が必要なラインだと思ってね。
PER(一株あたりの純利益率)
PER(Price Earnings Ratio)とは、株価収益率のことで、株価が1株当たりの純利益(EPS)の何倍になっているかを示す指標です。計算式は、以下のとおりです。
PER = 株価 ÷ 1株当たり純利益
例えば、株価が1,000円で、1株当たり純利益が100円の場合、PERは10倍になります。
PERは、投資判断の際によく用いられる指標のひとつです。PERが高い場合、株価が割高であると判断され、PERが低い場合、株価が割安であると判断されます。
PERは低ければ低いほど投資の魅力がありそうだね!
確かにPERが低い場合、株価が割安であると判断されるね。これは、株価が1株当たりの純利益に対して適切に評価されている、または割安に評価されていることを意味しているね。
PER高い企業は割高なの?
PERは、企業の成長性や将来性も反映する指標なんだよ。
PERが高い場合、企業の成長性や将来性が期待されていることを意味していて、これから株価も上がるだろうという期待の表れなんだ。
PERが低い場合、企業の成長性や将来性が期待されていないことを意味することもあるからPERだけで判断するのではなく他の指標と合わせてチェックする必要があるんだよ。
PERのチェックするポイントはなに?
まずは同業他社、同じセクターの企業のPERを比較することで、企業の割安・割高の判断をより精度高く行うことができるよ。
PERの目安はある?
PERの目安は、一般的に15倍とされているよ。
PERは株価に対してどれくらい利益が出せるのかなので、例えば企業を買収したときにその企業の収益で買収額の元を取るためには何年かかるのかとも考えらるんだ。
PERが15倍の企業であれば15年で買収額が回収できるという目安になるね。
業種別によってもPERの平均が変わってくるから必ず同業種のPERは一緒にチェックしようね。
PBR(株価純資産倍率)
PBR(Price Book-value Ratio)とは、株価純資産倍率のことで、株価が1株当たりの純資産(BPS)の何倍になっているかを示す指標です。計算式は、以下のとおりです。
PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産
例えば、株価が1,000円で、1株当たり純資産が1,000円の場合、PBRは1倍になります。
PBRは、企業の財務状況や経営基盤を測る指標として用いられます。PBRが高い場合、株価が割高であると判断され、PBRが低い場合、株価が割安であると判断されます。
PERとPBR…、似てるけど覚えられるかな。。
PBRも割安か割高かを判断するものなんだね。
似てるけど、PERとPBRは投資判断によく使われる指標なのでちゃんと覚えておかないとだね。
両方とも今の株価が割安か割高かを判断するものではあるんだけど、PERは1株あたりどのくらい利益を生み出しているかの指標。PBRは1株あたりの純資産額を表しているかの指標だね。
PBRは僕でも良くニュースで聞くけど、よく分からなかったからスルーしてしまってたよ。
政府がPBRが低迷する上場企業に対して、改善策を開示・実行するように要請したことがとても話題になったね。
もっと投資家に還元するなり、株価を上げる努力をしてくれということで、PBR1倍割れしている企業は自社株買いや増配など期待されているから注目だね。
PBRの目安はあるの?
PBRが1倍を下回っているということは、株価がその企業の純資産よりも安いことを意味してるから一般的には1倍以下だと割安とされているよ。
ただ、1倍を下回っているということは企業の将来性に魅力を感じていないことも言えるので、業種や市場状況も考慮して、総合的に判断するようにした方がいいよ。
ファンダメンタルズ分析のリスク
ファンダメンタルズ分析をいくつか紹介させていただきましたが、投資に必要な情報の一部でしかありません。
また、ファンダメンタルズ分析におけるリスクも知っておく必要があります。
情報の非対称性リスク
投資家は、企業の内部情報にアクセスすることができません。そのため、企業の業績や経営状況を正確に把握することが困難であり、投資判断を誤るリスクがあります。
予測の不確実性リスク
ファンダメンタルズ分析は、過去の業績や経営状況を基に、将来の業績や経営状況を予測する手法です。しかし、将来の業績や経営状況は、様々な要因によって変動するため、予測が必ずしも正しいとは限りません。
市場の反応の不確実性リスク
ファンダメンタルズ分析に基づいて投資判断を行ったとしても、市場は必ずしもそれに反応するとは限りません。そのため、投資判断が失敗に終わるリスクがあります。
ファンダメンタルズ分析は、投資判断の重要な手法のひとつですが、上記のようなリスクを十分に理解した上で、活用するようにしましょう。